身近なヘルペスと帯状疱疹(2026.05)

新緑がまぶしい季節になりました。春から初夏へと移り変わるこの時期は、環境の変化や忙しさから疲れが出やすい時期でもあります。こうした疲労やストレスをきっかけに症状が現れることがあるのが「ヘルペス」です。
ヘルペスはヘルペスウイルスによる感染症の総称で、いくつかの種類があります。例えば、唇や口の周りに水ぶくれができる「口唇ヘルペス」は単純ヘルペスウイルス1型が原因で起こります。体の片側に痛みと発疹が現れる「帯状疱疹」は水痘帯状疱疹ウイルスが原因で起こります。ヘルペスウ イルスは一度感染すると体内の神経に潜み、普段は症状がな くても、疲労やストレス、体調不良などで体の抵抗力が弱くなったときに再び症状が現れることがあります。
なかでも帯状疱疹は、子どもの頃にかかっ た水ぼうそう(水痘)が原因で起こります。水ぼうそうにかかった覚えがなくても、知らないうちに感染していることが多く、多くの 大人の体内にはこのウイルスが潜んでいるといわれています。水ぼうそうが治った後もウイルスは体内の神経に潜んでおり、加齢や疲労、ストレスなどをきっかけに再び活動して発症します。はじめは体の片側にピリピリとした痛みや違和感が現れ、その後、赤い発疹や 水ぶくれが帯状に広がっていくのが特徴です。
日本では、約3人に1人が生涯で帯状疱疹を経験するといわれており、特に50歳以上で発症しやすくなります。多くの場合は数週間で皮膚症状は治まりますが、人によっては皮膚の症状が治った後も神経の痛みが長く続くことがあります。そのため、痛みや発疹など気になる症状が現れた場合には、医療機関を受診することが大切です。治療は抗ウイルス薬が中心で、発疹が出てから72時間以内に飲み始めることが望ましいとされています。また、帯状疱疹には予防のためのワクチンもあり、発症や重症化を防ぐ方法の1つとして注目されています。
日頃から十分な休養や栄養をとり、無理をしない生活を心がけましょう。忙しい時期ほど体調の変化に目を向け、気になる症状があれば早めに医療機関へ相談しましょう。

